1/1000人として見た夢の未来


6月14日(日)、中国サッカーリーグ第10節の5試合が行われた。
中国サッカーリーグは中国5県から10クラブ(広島からは4クラブ)が参加するリーグ戦で、ホームアウェイの総当たり全18節。今節より後半戦に突入した。
安芸郡府中町のWACTORYパーク揚倉山では、ヴァリアモーレ安芸がホームゲームを開催。「1000人プロジェクト」を立ち上げ、大型商業施設でのチラシ配布のほかSNS等を通じた発信、追加の駐車場や無料シャトルバスの手配、パイプ椅子を並べた座席準備など、クラブ一丸となって様々な取り組みを重ねてきた。
山の上にある会場ゆえ、自家用車を持たない身としては、シャトルバスの運行は非常にありがたかった。

ヴァリアモーレ安芸は、広島県リーグで2025シーズン優勝を飾り、今季から1つ上のカテゴリーである中国リーグへ昇格したクラブ。広島市安芸区、安芸郡府中町、海田町、熊野町、坂町の4町1区をホームタウンとし、2030年のJリーグ参入を目指している。
迎える相手は、4年連続で中国サッカーリーグを制しており、今季もここまで8勝1分と負けなしの強豪、福山シティFC。10チーム中6位につけるヴァリアモーレ安芸にとっては難敵である。

試合は、実力上位の福山シティが主にボールを保有し、ヴァリアモーレ安芸は守備に回る時間が長かったが、前半終了間際に清水祐哉選手のゴールで先制。1,015人が集まった観客席は歓喜に沸いた。
しかし、後半25分、32分に連続失点を喫すると、巻き返すことはできず、そのまま1-3で敗戦となった。

試合後、キャプテン・中島秀斗選手は「勝ちたかったので悔しい」と率直な言葉を口にしながらも、「それぞれが今日のために準備してきたので、悔いはない」とサポーター挨拶。「2、3年前は20〜30人しかお客さんがいなかったこともあった。こんなにたくさんの方に来ていただき、皆さんの後押しで先制ゴールが決められたと思う」と感謝を述べ、「今日で終わりじゃない。これからもずっと来てほしい。Jリーグになった時、『こういう時から応援していたんだ』と言ってほしい。引き続き共に戦ってください」と頭を下げた。

県リーグから地域リーグに昇格したばかりのクラブがJリーグなんて、夢みたいなことを…と思うかもしれない。
でも、決してそうとは言い切れない。FC町田ゼルビアの例がある。
J1初昇格の2024年は最終節まで優勝の可能性を残して3位でシーズンを終え、2025年は天皇杯で優勝、今年はAFCチャンピオンズリーグエリート2025/26準優勝と健闘した町田ゼルビアは、東京都リーグの4部からスタートしてここまで上り詰めた歴史を持つ。そんな下剋上が不可能ではないと証明してみせた先駆者だ。
筆者はゼルビアがJ3昇格した前年の2013まで町田市で暮らしていたが、当時は、ゼルビアがJリーグを代表する強豪クラブになる日が来るなんて、周りの誰も想像すらしていなかった。
また、本拠地の町田市立陸上競技場(町田GIONスタジアム)は、最寄りのJR町田駅から30分ほどバスに乗り、終点・野津田車庫のバス停から急坂を15分近く登った山上という極めて不便な立地。今でこそ立派な観客席を備え「天空の城 野津田」の異名を持つが、2012年の改修までは客席もない簡素なグラウンドだった。
広島駅からバスで約30分、最寄りバス停から15分ほど上ったところにあるWACTORYパーク揚倉山と、環境が酷似している。
ここからヴァリアモーレ安芸が町田ゼルビアのように飛躍していくことを想像すると、ワクワクする。
「まさかこんな日が来るとはね」
いつかそう言えるよう、今から注目しておいた方がいいかもしれない。

なお、今週末・6月21日(日)は福山シティFCが10,000人集客を目指すホームゲームを開催する。様々な企画を用意し、試合はもちろんプラスαのお楽しみ盛りだくさんなイベントとなりそうだ。こちらも併せてチェックを。
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