プロの凄さと厳しさを再認識したプレシーズンマッチ


10月10・11日、バレーボールの国内最高峰リーグ「SVリーグ」に参戦する広島サンダーズが、プレシーズンマッチを開催。練習拠点である猫田記念体育館(広島市南区)に、今季開幕戦の相手・信州松本トライデンツを迎えた。
新加入の外国人選手は不参加だったものの、代表戦でチームを離れていた選手たちが戻り、2026-27シーズンの新体制のお披露目とあって、ファンの期待や注目度も高まっていた。
公式戦ではないけれど、MCが会場を盛り上げ、チケットを購入した観客がレプリカユニフォームを着たりグッズを掲げたり、新シーズンのコール(応援の掛け声)が先行公開されてみんなで声を合わせたり…演出も試合中の雰囲気も、公式戦にかなり近い。オフシーズン中の練習試合と公式戦の中間のような位置付けだろうか。

結果から言ってしまうと、両日ともフルセットの末に3-2で競り負けるという悔しさが残る2日間ではあった。が、あくまでプレシーズンマッチだ。大事なのは勝ち負けではなく、本気の戦いを通してどれだけの情報収集ができたかだろう。
実際、新たなシーズン開幕に向けて、選手起用や戦術、戦略を試している様子が伺えた。

私事だが、筆者は昨季バレーボール観戦にハマり、地元・広島サンダーズのホームゲームは22戦中11戦を生観戦した。その中でプレーを見たことがない、出場機会がなかった選手たちが、プレシーズンマッチでは躍動していた。
プロ選手として契約を得ている以上、国内最上級の実力を持った選手たちである。そんな高い実力を有するトップアスリートが、1シーズン通して出場機会を得られないプロの世界…その厳しさを改めて痛感し、思わず膝を正した。
練習見学に赴くと、公式戦で見ることがない選手たちも、真摯に、真剣に取り組んでいる姿を目の当たりにする。だからこそ、チャンスを得れば日頃から磨いてきたスキルを発揮してこれだけ輝けるのだ。
努力できることも才能だという話を聞いたことがある。出場機会の有無に関係なく、緻密な努力を怠らずに日々積み重ねる…トップアスリートとは、競技スキル以外にも様々な能力を高いレベルで有している人たちなのだと教えられる。学生時代から運動音痴の帰宅部で、何の努力もしてこなかった筆者としては尊敬の念しかない。

ともあれ。
個人的には、今回のプレシーズンマッチで特に目を引かれたのが#1 柳北悠李(やなきた・ゆうり)選手と#22 山元快太(やまもと・はやと)選手だった。
柳北選手は昨季、ルーキーながら数試合にスタメン出場し、最終戦の大阪ブルテオン(昨季SVリーグ優勝チーム)戦では、最初こそ緊張の色が見えたものの途中からは堂々たる戦いぶりで存在感を示していた。プレシーズンマッチでも、強烈なサーブやバックアタックなどで得点を量産。プロ2年目となる新シーズンはさらなる活躍が期待できそうで、実に頼もしい。

山元選手はこの春に大学を卒業したばかりのルーキーで、プロとしての実戦経験はほとんどないものの、この日は積極的に攻撃参加し、特に最終セットでは相手ブロックに当ててアウトにする頭脳プレーで立て続けに得点をゲットしていた。新加入の外国人選手が合流した後にどれだけプレータイムをもぎ取れるかは未知数だが、台頭が楽しみだ。

昨季、得点の大部分を叩き出していた外国人選手2名が退団し、新たにイラン代表の2選手を迎える広島サンダーズ。開幕直前の合流で、チームメンバーとのコミュニケーションやコンビネーションの構築が間に合うのか心配はゼロではないが、新生サンダーズがどのようなチームになるのか、ワクワクの方が勝る。
信州松本トライデンツとの今季開幕戦は、10月24・25日のアウェイ戦。ホーム開幕戦は翌週・31日と11月1日に広島グリーンアリーナで迎える東京グレートベアーズ戦だ。
プレシーズンマッチで洗い出された課題を修正し、もう一段ギアアップした広島サンダーズを見られるにちがいない。ぜひ会場で見届けよう。
※サインボールと応援タオルの撮影にご協力くださったTHUNDYさん、ありがとうございました。


